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若井 栄一; 菱沼 章道; 三輪 幸夫; 大内 朝男*; 磯崎 誠一*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(1), p.136 - 140, 2000/01
高純度Fe-(9-50%)Cr及びFe-50Cr-(0-8)W合金の引張特性に対して中性子照射の効果を調べた。これらの合金はSS-3タイプの形状の引張試験片にし、加工層を取り除いた後に、原子炉(JRR-3M)において、400、500、600Cの3温度で約0.4dpaの弾き出し損傷量まで照射された。照射後、多くの試験の場合、照射と同じ温度で、真空中にて4.410sの引張速度で引張試験を行った。この照射によって、これらの合金の降状強度と引張強度は増加した。また、照射によるそれらの強度の増分はこれらに添加したクロム量及びタングステン量の増加に伴い、大きくなる傾向になった。これらの合金の引張特性は多くの場合、延性的な挙動を示したが、500C以下で照射されたFe-50CrとFe-50Cr-W合金においてのみ、それらの引張試験において、延性が生じないまま、脆性破断が生じた。これらの合金の引張特性は脆性的な挙動を示した温度及びクロム量の領域が状態図における約500C以下での脆性領域に非常に近いことから、照射によって形成される'相と格子間型転位ループに密接に関係していると考えられる
若井 栄一; 菱沼 章道; 阿部 弘亨; 三輪 幸夫; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Proc of Ultra-High-Purity Metallic-Base Materials (UHPM-98), p.35 - 45, 1998/00
高純度Fe-50Cr-5W、8W合金を用い、照射下の相変態挙動を550C~800Cの温度領域で調べた。照射は300keVのFeイオンを0.16dpa/sの欠陥生成速度で、最大約300dpaまで照射を行った。ラーベス相は550~700Cまで形成したが、照射温度の上昇に伴い、その数密度が減少した。また、シグマ相は670C以上の温度で粒内に均一に形成した。670Cと700Cでは、それ以外に微細な結晶(サイズは約100nm)が形成した。一方、非照射材を時効した場合(700Cで1000hrまたは82%圧延した後に700Cで10hr時効)、シグマ相は形成されず、ラーベス相のみが形成した。したがって、600C以下の温度では照射によって、ラーベス相の形成が促進されるが、温度の上昇とともに、その形成はだんだん抑制される傾向にあることが分かった。またシグマ相の形成は、照射によって誘起されたものである。照射下でのラーベス相とシグマ相の形成は照射誘起偏析と密接な関係があることが判明した。